青果歴15年以上。これまで食べてきた青果物の種類には自信があります。
本日のお話はバナナ。
2023年相変わらず物価が上昇を続けています。日々の家計のやりくりに苦労しているのではないでしょうか。
みなさんの暮らす地域ではバナナの値段は変わりましたか?
恐らく値段があがっていることでしょう。私の暮らす地域でも相次ぐ値上げでとうとうバナナまで値上げされてしまいました。
ひとむかし前からバナナは物価の優等生と呼ばれる存在として認知されています。仕事でバナナに触れる機会の多い私ですが過去15年でバナナの値上げは2022年、2023年の2回しか記憶にありません。
それほどバナナは低価格で販売され続けてきました。
それでもバナナは物価の優等生
過去3年間の小売物価統計を下記にまとめました。
年 | バナナ | りんご | みかん |
2020年 | 259 | 683 | 704 |
2021年 | 248 | 568 | 688 |
2022年 | 265 | 676 | 725 |
参考:バナナ大学/バナナに関する統計(総務省統計局)
少しわかりづらいので解説します。(小売業界の豆知識ふくみます)
バナナは1袋約600g 1本あたり約150g
りんごは1箱10kgで40個 1個あたり250g
みかんは1箱10kgで95個 1個あたり105g
これらを考慮すると
- バナナ1本 39.75円
- りんご1個 169円
- みかん1個 76.125円
加食部分の多いりんごが比較的割高に見えます。
2023年は物価がさらに上昇しているので数値のずれがあるのですが、それでもバナナの割安感は際立っています。
相対的に他の果物も値段が上がっている
値段が上がっているのはバナナだけではありません。
販売する者の目線からも一昔前よりも確実に販売価格が上昇しているのを感じます。
ほんとにこの値段で販売してよいのだろうかと日々悩んでいるのが実情です。それほど果物の値段は上がり続けています。
安定供給に難がある
バナナは他の比べると割安感はあるのですが最近は供給が不安定な時もあります。一つの原因として海外から入船ができない時があるようです。海外では物流に問題が起こっているようです。
- ストライキ
- 労働力不足
- 輸送コストの上昇
これらの要因が解決できずにたびたび日本への入船が遅れる事態が起きているようです。バナナの品切れはこのような事態も原因の一つとなっています。
日本も他人事ではありません。2024年問題。最近ニュースでも頻繁に取り扱われる問題ですね。トラック運転手の残業時間に規制がかかるとのこと。そうなれば国内の輸送コストは確実に上がります。地産地消でない「モノ」の値段は何か対策しなければ確実に上がることでしょう。あー、どなる2024年。。。
バナナの割安感はゆるがない
バナナの値段が上がりはしたものの、それでもバナナが一番お手軽な果物であることは間違いありません。
栄養価も豊富で気軽で食べられるのがバナナです。比較的値ごろで毎日食べる習慣を作りやすいのもメリットです。
バナナの値段が上がったのはなぜ?
バナナが果物の中で割安なのはご理解いただけたと思います。次はなぜ値上げせねばなない状態になったのかを解説していきます。
円安で輸入コストが上昇
なんといっても一番はこれでしょう。
円の価値が低下しています。食品だけでなくありとあらゆるモノの値段が上がりました。エネルギーなども含めて輸入に頼っているモノのコストが上昇しました。
メーカーも為替損益で相当額の赤字でカバーできなくなったようです。結果値上げせざるをえなくなりました。多少円高に振れてもこれまでの赤字額を補填する意味でもすぐに値下げ。とはいかないでしょうね。。。
ちなみに15年前ですが私が学生のころでレギュラーガソリン110円くらい。今165円。。。1.5倍!!
新興国に買い負けている
需要と供給の関係です。
5年ほど前から中国に買い負けているようで仕入れ価格の上昇が起こりました。それから数年。世界の人口増加によりさらに供給がひっ迫する事態となりました。バナナだけでなく食料全般が世界的に不足しています。
日本人好みに栽培されているフィリピン産バナナの引き合いも強くなっていて値段が上がっているようです。
あ、ちなみにバナナの生産量でフィリピンは世界6位。意外と多くないのですよ。世界1位はインド2位は中国。フィリピンはインドの5分の1くらいなんですよ。(参考:バナナ大学バナナに関する統計)
物流コストの上昇も
円安の影響と重複する部分もあります。
世界的インフレで原材料価格の高騰。人件費の高騰。
日本の国内を見ても物流に問題があるのは明白です。国内外で例外なく輸送コストが上昇しています。輸入品はモロに影響を受けています。
まとめ
今回はバナナの値段について解説しました。
ズバリ、バナナは割安です。近年のインフレによる値上げラッシュの影響がありましたがそれでも果物においてはバナナのコスパにかなうものはありません。
- バナナは他の果物に比べて割安である
- 値上げしたものの割安感にかわりない
- 他の果物に比べ割安で毎日食べる習慣を作りやすい
バナナの値段が上がった背景も解説しました。
- 円安による為替差額
- 新興国に日本が買い負けている
- 世界的な物流コストの上昇
バナナを取り巻く環境は正直よいい状態とは言えません。それでも現状は果物の中で最も割安であると言えます。
世界情勢が不安定な世の中です。先行きが不透明で今後どのような事態になるかわかりませんが、多少の値上げがあったとしてもバナナがコスパ最強な果物であることは揺るがないことでしょう。
みなさんのより豊かなバナナライフを願って終わります。
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